【ドラゴンボール考察 気と戦闘力の関係】

<必殺技の威力システム(2)>

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続いてこれらの技を放った時の疲労の大きさについて考えていきます。
ベジータの地球来襲時のギャリック砲、人造人間編開始時点のビックバンアタック、セル戦のファイナルフラッシュ。
これらはいずれも瞬殺1つ分上の者にでもまともに炸裂させれば大ダメージが与えられるという同効果のものでありながら、技レベルは上がっているものです。
ではこれらの技は消費エネルギーが大きくなっていくにしたがって、疲労度も大きくなっていくのか。
決してそうではないと思う。

エネルギーとはダメージを受けることで減少していくものであると同時に、エネルギー波系の技や肉弾攻撃や舞空術など、運動動作全般によって減少していくものです。
RPGで例えると、HPと技消費値が結合したようなものです。

技消費値とはDBのRPGなら「BE」や「KI」。
他のRPGなら肉弾攻撃や武器攻撃も消費対象となるタイプの「MP」で、ドラクエ[以降やクロノトリガーやワンピースRPGの「MP」がそれに該当します。

RPGではレベルが上がるほど、技消費値が上昇していきます。
そして疲労の大きさとは、消費エネルギーを比率で換算するものではないかと思う。

RPGで全技消費値が70の者が50のエネルギーを消費する技を放つのと、全技消費値が700の者が50のエネルギーを消費する技を放つのでは、消費の程度は大きく異なるのではないかと思う。
そして全技消費値が150の者が50のエネルギーを消費する技を放った時と、全技消費値が750の者が259のエネルギーを消費する技を放った時のエネルギーの消費程度が同じになるのではないかと考えます。

『DB』の作中でも、全エネルギー120の者が100のエネルギーを消費する技を放つのと、全エネルギー1200の者が100のエネルギーを消費する技を放つのでは、消耗の程度はかなり異なります。
「ギャリック砲→ビックバンアタック→ファイナルフラッシュ」は、エネルギーの消費量は大きくなっていきますが、それに合わせて総エネルギー量も上昇しているために、総合的に疲労度は同じくらいになるのではないかと推測します。

同様に人造人間編開始時点の超悟空のかめはめ波とセルゲーム時の超悟空のかめはめ波も「ビックバンアタック→ファイナルフラッシュ」と同様の技レベルの昇華がありながら、疲労度は同じということになります。

格闘ゲームでは、悟空のかめはめ波を「かめはめ波」と「超かめはめ波」の2段階に分け、かめはめ波はビックバンアタックと同格で、超かめはめ波はファイナルフラッシュと同格の技として位置付けるケースが、よく見られます。

原作でも、第23回天下一武道会で、悟空の「超かめはめ波」というのがありました。
これは明らかに「かめはめ波<超かめはめ波」という技レベルの昇華を示すものです。
それがラディッツ編では同じ技レベルと推測されるかめはめ波が「かめはめ波」と表現されるものになっています。
このように悟空は、技レベルの昇華が、強く主張されないタイプといえるように思う。
逆にベジータは「ギャリック砲→ビックバンアタック→ファイナルフラッシュ」と技レベルの昇華が強調されるタイプだと考えられます。



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全エネルギー100の者が50のエネルギーを消費した場合、比率では50%のエネルギーを消費したことになります。
それに対して、全エネルギー1000の者が50のエネルギーを消費した場合、比率では5%のエネルギーを消費したことにしかなりません。
これは明らかに前者の方が疲労が大きいと考えられるように思う。
全エネルギー1000の者が50%のエネルギーを消費する時とは、500のエネルギーを消費した時ということになります。

次にRPGを例にします。
全技消費値150の時には、50のエネルギーを消費する技が3回使えます。
それが全技消費値450の時には、150のエネルギーを消費する技が3回使えるようになります。
つまり同じ感覚(疲労度)で、3倍のエネルギーを消費する技が使えるようになるということです。

【考察用造語】

●エネルギー消費量
消費するエネルギーの量。

●エネルギー消費率
消費するエネルギーを比率で換算したもの。
(疲労度の大小につながる)



そして瞬殺1つ分上の者でもまともに炸裂させれば大ダメージという同効果系の技は、エネルギー消費率(疲労度)もだいたい同じくらいになるという見方が適しているのではないかと考えました。
仮に地球来襲ベジータのギャリック砲が全エネルギーの30%を消費するとした場合、セル戦ベジータのファイナルフラッシュも全エネルギーの30%を消費するという見方です。
ビックバンアタックも同様です。
そうすると悟空のフルパワーかめはめ波も、人造人間編開始時点とセルゲーム時では「ビックバンアタック→ファイナルフラッシュ」と同じくらいの技レベルの昇華がありながら、エネルギー消費率(疲労度)は同じということになります。

戦闘力水準が上がっていく中で、攻撃技のエネルギー量が上がってのも、エネルギー消費量が維持されれば、疲労の大きさに変化はないというのが、ここでの結論です。
これは戦闘力が互角なら体力も互角になるために勝率も五分五分になるという、格闘ゲーム式の概念により組み合うものになります。



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ベジータの「ギャリック砲」「ビックバンアタック」「ファイナルフラッシュ」の扱われ方に似たものとして、RPGの呪文3段階システムがあります。

最初にドラクエの呪文システムについて。
炎系の呪文では「メラ→メラミ→メラゾーマ」の順に威力が上がっていきます。
氷系の呪文では「ヒャド→ヒャダルコ→マヒャド」の順に威力が上がっていきます。
雷系の呪文では「ライデイン→ギガデイン→ミナデイン」の順に威力が上がっていきます。

これらはレベルが上がっても、同じ呪文を使った時の威力に変化はありません。
レベル3の時に使うメラも、レベル50の時に使うメラも威力(相手に与えるダメージ)は同じです。
レベルが上がるにつれて威力が上がるのは、打撃攻撃や武器攻撃のみです。

次にファイナルファンタジーの呪文システムについて。
炎系の呪文では「ファイア→ファイラ→ファイガ」の順に威力が上がっていきます。
氷系の呪文では「ブリザド→ブリザラ→ブリザガ」の順に威力が上がっていきます。
雷系の呪文では「サンダ→サンダラ→サンダガ」の順に威力が上がっていきます。

こちらはレベルが上がるにつれて、同じ呪文を使った時の威力も上がっていきます。
レベル3の時に使うファイアと、レベル50の時に使うファイアでは、同じ呪文でも威力は大きく異なります。
これはDBのRPGで、同じエネルギー消費10の技でも、レベル3の時とレベル40の時では、大きく威力が異なるという性質に共通します。
それにより、レベル20の時に使うファイラ(炎系呪文の中で下から2番目)を、レベル60の時に使うファイア(炎系呪文の中で一番弱い)が上回るといったことも起こります。

そして『DB』の必殺技の扱われ方に近いと判断するのは、ファイナルファンタジー方式の呪文3段階システムです。
ファイナルファンタジーでは、同じ呪文でもレベルが上がるにつれて威力は上がっていきます。
しかしレベルが10以内の闘いのころに使われるファイアと、レベル90以上の闘いのころに使われるファイアが、同じくらいに役立つかといったらそうではありません。
レベルの低い闘いのころに使われるファイア(炎系呪文最弱)と、レベルが高い闘いのころに使われるファイガ(炎系呪文最強)が、同じくらいに役立つ感じのものになっています。

レベルが高い闘いのころに使われるファイア(炎系呪文最弱)は、レベルが低い闘いのころに使われるファイア(炎系呪文最弱)よりも、威力はかなり上がっていますが、戦闘における役立ち度は低下しているということです。
セル戦ベジータがギャリック砲(地球来襲時と同じエネルギー消費量)を放った場合、当時よりも威力は大きく上がっていても、戦闘における役立ち度は低下していると考えるのと同じです。

ベジータの「ギャリック砲→ビックバンアタック→ファイナルフラッシュ」は、ファイナルファンタジー方式の呪文3段階システム(「ファイア→ファイラ→ファイガ」など)と同じような感じでとらえるのが適しているのではないかと思う。




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