【ドラゴンボール考察 GT編】

<GTの黄金大猿変身とは>

−1−

原作の中で考えて超サイヤ人状態からさらに大猿に変身する(10倍のパワーアップを果たす)という概念は存在しません。
ではGTの大猿超サイヤ人というのは、原作を無視したアニメのデタラメな内容なのか。
決してそうではないと思う。

むしろ原作の「超サイヤ人からさらに大猿パワーアップというのが存在しない」という解釈を前提とすることで、GTのストーリーが正しく解釈できるというのが現在の考えです。

悟空が老界王神にシッポを生やしてもらい、ベビーに再戦を挑んだ場面を振り返ります。

[ベビーにとびかかる超3悟空だが、攻撃がまるで通用しない]

ベビー「おまえぜんぜん強くなってないぞ」
悟空「ぜんぜん・・・? そんな、オラちょびっとくれえは強くなっているはずなんだけどな」
ベビー「ぜんぜんなっておらん!!」
悟空「そんなはずはねえーー!!」

[とびかかる悟空だが、ベビーにかわされてシッポをつかまれる]
[ベビーはそのまま後ななめ上空へむかって飛ぶ]

ベビー「ふはははははははは!!」
悟空「ど・・・どうなっちゃってんだ!!大界王神のじっちゃ〜ん!!」


[界王神界から水晶玉で闘いの様子をながめている老界王神たち]

老界王神「わ・・・わからん・・・」

[ベビーにシッポをつかまれている状態から振り回され、地面に叩きつけられる悟空]

【界王神界】

キビト界王神「大界王神様。悟空さんはどうしたんです?潜在的な力が目覚めるんじゃなかったんですか?」
老界王神「う〜〜ん・・・。そのはずなんじゃが・・・」


[原因がわからず水晶玉を見ているキビト界王神の数メートル背後でうろうろと歩き回る老界王神]
[その時、水晶玉に映る悟空の体が『ドックン ドックン』と振動をはじめる]

キビト界王神「あ!! 大界王神様!!悟空さんに変化が!!」

老界王神「な・・・なに〜〜〜!!!!」

[水晶玉のところへかけよってくる老界王神]

老界王神「おお・・・!おおお・・・・・・!!はじまった!!はじまった!!はじまったぞ〜!!」

[悟空が黄金大猿へと姿を変えていく]


ここで注目したいのが、老界王神や悟空は超3のままでベビーを倒せるはず(つまり今までどおりの形態で以前よりもパワーアップしているはず)と考えている点です。

これは老界王神や悟空の解釈する潜在パワーを引き出した状態というのが、基本戦闘力の引き上がりであったことを意味します。
それが大猿パワーが人の姿で使いこなせている状態(超1で黄金大猿の力が使いこなせている状態)ではないかと思う。

これは原作の悟空やGTで老界王神に力を引き出してもらう前の悟空が、人の姿で大猿パワーが使いこなせているという見方が前提となります。

老界王神の修業による潜在パワーの引き出しとは、最長老の能力やバビディの魔術にも見られた基本戦闘力の引き上げとなります。
強さがかわっていなかったのは、基本戦闘力の上昇で大猿パワーなしでも以前のノーマル最大(大猿パワーを使いこなしている状態)に到達していながら、大猿パワーが使えない状態になっていたからではないかと思う。

これは悟空の基本戦闘力の上昇幅が、大猿変身と同率の10倍となることで可能になるものです。

つまり老界王神に力を引き出してもらった悟空は、基本戦闘力が10倍になりながら、大猿パワーが使えない状態(大猿パワーが眠ったままの状態)になってしまったということです。



−2−

なぜこのようなハプニング状態が生じてしまったのか。

悟空が黄金の大猿に変身して暴れ始めたばかりの場面を見ていきます。

キビト界王神「大界王神さま。これはいったいどういうことですか」
老界王神「う〜〜ん・・・・・・。や・・・やはり恐れていたことがおこってしもうたわい」
キビト界王神「おそれていたこと・・・」
老界王神「修業を途中でやめて無理矢理シッポをひっぱりだしたために、まだあの強い力をコントロールできんのじゃよ」
キビト界王神「な・・・なんと・・・」
老界王神「悟空としての理性がなければあれはただの乱暴で危険な大猿にすぎんのじゃ」


ここから、パワーアップした悟空が大猿パワーを使えない状態(大猿パワーが眠ったままの状態)になっていたのは、やっとこで無理矢理シッポをひっぱりだしたからだと考えられます。
もし悟空がコーヒー豆すり器を回し続ける修業でゆっくりと時間をかけてシッポを引き出していたら、このようなことは起こらなかったのではないかと推測されます。

ブウ編の悟飯の潜在パワーの引き出しも儀式に5時間パワーアップに20時間という長い時間をかけて行なわれたものでした。
悟空の潜在パワーの引き出しもそれと同じく、コーヒー豆すり器を回し続けるという長い時間をかけて行なわれるものだったと考えられます。

悟空のハプニングは、時間をかけずにやっとこで強引にシッポを引っ張り出した結果です。



−3−

界王神界からもどってきた悟空に強さの変化がないというハプニング状態は、基本戦闘力が10倍に上昇したというプラス要素と大猿パワーが眠ったままの状態になってしまったというマイナス要素によって差し引き0になっていたと考えられます。

悟空の潜在能力開放による基本戦闘力の引き上がり幅が、大猿変身と同一の10倍というのは都合がよく思えますが、その比率によってなりたつストーリーだと割り切って判断するところではないかと思う。

GTの大猿超サイヤ人が登場するストーリー。
これは原作の悟空の超サイヤ人が、すでに大猿パワーも引き出されている状態にある(超サイヤ人からの大猿10倍パワーアップはない)と判断することで、正しく解釈できるものだというのがここでの結論です。




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