【ドラゴンボール 戦闘力考察関係】

<もともとの人造人間編構想(1)>

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「ベジータvs18号」の戦闘力面は互角だが、スタミナに差が出て優劣が現われるとする内容。
これは17号・18号の初期設定が未来人造人間レベルで描かれているもので、あの闘いはベジータと未来18号が戦闘力面で互角という解釈につながるものだと考えました。

これはどのような要因によるものなのか。
そこで見ていきたいのが、人造人間編構想の過程についてです。

●大全集2巻 神龍通信 座談会より

人造人間編について

[鳥山]そんなこと言って鳥嶋さんひどいんですよ。ちょうどその頃、人造人間の19号と20号が登場した時です。もう担当でもなんでもないのにわざわざ家に電話してきて「やっと敵が出てきたと思ったら、ジジイとデブじゃないですか」ですもん(笑)。本当は19号と20号しか、出す予定なかったんですよ。で、しょうがないから17号と18号出したら、またわざわざ電話してきて「なんだ、今度はガキですか」って言うんですもん。だから、セルを出しました(笑)。

人造人間編の構想とは、
最初に19号・20号をシリーズラスボスとする構想、
次に17号・18号・16号をシリーズラスボスとする構想、
さらにセルをシリーズラスボスとする構想、
という過程で変化してきたものです。

トランクスが悟空と初めて出会い、人造人間のことを語った場面。

▽トランクス
「しかし究極の殺人マシンとして造られてしまったその人造人間19号と20号は、生みの親のドクター・ゲロをも殺してしまった・・・。つまりただ殺戮と破壊だけを楽しみとする人造人間だけが残ってしまったのです・・・・・・」

これも19号・20号が、もともとは真の敵だったと、うすうす予感させてしまうものではないかと思う。

同様に、17号・18号・16号が、もともとはシリーズラスボスとして描かれるものだったと思えそうな内容も存在します。

17号たちが、16号を復活させようとする場面。

18号「16号か・・・・・・。これも永久式タイプなんだよね」
20号「!!」
18号「でもわたしたちとは種類がちがうんでしょ。ちょっと大型だしね。どこがちがうのかな?」
20号「さわるな18号!!!さわるんじゃないぞ!!!」

トランクス「じゅ・・・16号だと・・・!?16号なんてオレは知らないぞ・・・!!」

17号「おもしろそうだな。動かしてみろよ18号」
20号「いっ いかん!!!やめろっ!!!この世界そのものを滅ぼしたいのかっ!!!16号は試作型で失敗作なんだ!!!絶対に動かすんじゃない!!!」
18号「失敗作のわりにはいつまでも残してあるんだね。15号までは処分したらしいけど」
20号「そ・・・そのうち造りなおすつもりだったんだ・・・!!とにかく動かすな!!わたしやきさまらの首をしめることになるかもしれんのだぞ!!!」

この16号の「この世界そのものを滅ぼす」「17号・18号の首を締めることにつながる」といった内容。
これは16号をラスボスとする、ストーリーの流れのものだったのではないかと思う。

後にセルゲームで16号が使おうとした体内爆弾が、16号の危険要素のようになっていました。
しかしこれは後付けのつじつま合わせのような見方で、元来の意味合いとは異なるものだったのではないかと思う。
なぜなら16号の体内爆弾が、世界が滅ぶことにつながるとは考えにくいからです。
16号の体内爆弾とは、セルゲーム会場にいる悟空たちにまきぞえを与えてしまうくらいのものです。
さすがに世界を滅ぼすほどの威力とは、考えにくいように思う。

また16号がセルと自爆するのは、セルを倒して地球の平和を取り戻すためです。
(頭部を踏み潰される直前の「オ・・・オレの好きだった自然や動物たちを・・・・・・守ってやってくれ・・・」より)。
それなのにその爆弾が、この世界そのものを滅ぼすことにつながるような危険なものというのも、やはり考えにくいように思う。

また「17号・18号の首を締めることにつながる」という要素。
これも16号が17号たちを守るためにセルに闘いを挑んだことも踏まえ、16号が自分の意志で17号たちをふっとばそうと体内爆弾を使うというのは、考えにくいように思う。

20号が危惧していた、16号の危険要素の、
「この世界そのものを滅ぼす」
「17号・18号の首を締めることにつながる」

これは体内爆弾ではなく、16号をラスボスとして描くストーリー構想の伏線として、描かれていたものではないかと推測します。



−2−

17号・18号・16号が研究所で目覚めたころのストーリーとは、16号をラスボスとするストーリー構想の流れで描かれていると推測するものです。

そして「ベジータvs18号」の戦闘中盤の場面。
(ベジータが、走ってきたトラクターを破壊した後)

18号「いまのは全然本気の一撃じゃなかったね」
ベジータ「当たり前だ・・・・・・。オレが本気を出したら地球ごと消えちまう・・・・・・」
18号「わたしもてんで本気なんて出しちゃいないよ。わかってる?」
ベジータ「ほう・・・。だったら遠慮するな。いまのうちに本気でやっておいた方がいいぞ。後悔することになる・・・・・・」
18号「じゃあそうするよ」

(この直後に18号は、ダッシュ頭突きやひざ蹴りや掌手のコンビネーションで、ベジータをサイドのガケ岩に叩きつける)

続いて「ベジータvs18号」の戦闘終盤の場面。

トランクス「(す・・・凄い・・・!!父さんがここまで強いなんて気が付かなかった・・・!!あのとんでもない人造人間と互角に戦うことができるなんて・・・!!)」
ピッコロ「殺されるぞ。ベジータは・・・」
トランクス・クリリン「「え!?」」
ピッコロ「見ろ・・・。わずかずつだが人造人間の方が押し始めている。敵はまるでパワーが落ちないがベジータは動けば動くほどスタミナが減っていくからだ」

このベジータと互角の18号が、初期設定の未来人造人間レベルで描かれていると判断する内容。
これも16号をラスボスとする、ストーリーの流れで描かれているものではないかと推測します。

そうすると、
「この世界そのものを滅ぼす危険な16号(ラスボスvar.)」と
「未来人造人間レベルで描かれる、現代17号・18号」。
この2つはセットということになります。



−3−

作中のストーリーとは、17号・18号・16号が研究所で目覚めたころは、16号をラスボスとする物語で描かれ、それが途中からセルを真の敵とする物語に方向転換していると推測されるものです。
そして17号・18号が、最初は未来人造人間レベル(戦闘力面で「ベジータ=18号」)として描かれながら、途中からそれよりも格上という内容になった要因。
これもラスボスが、16号からセルに切り替わったのと合わせてのものだというのが、ここでの結論になります。


16号をラスボスとするストーリー構想/この時代の17号・18号が未来人造人間レベル

セルを真の敵とするストーリー構想/この時代の17号・18号が未来人造人間よりも格上




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人造人間編構想の変化の流れを、全体から見ていきます。

人造人間編構想とは、もともとは19号・20号が未来を地獄に変えた2人の人造人間とされていたところから、17号・18号がその人造人間だったという内容に、変化したものです。
そして17号・18号・16号が研究所で目覚めたころのストーリーは、16号がラスボスという流れで描かれるもので、17号・18号の初期設定が未来人造人間レベルで描かれるのは、それに基くものだと考えました。

そうすると17号・18号(初期設定の未来人造人間レベル)は、初期構想の19号・20号(ラスボスvar.)のポジションに入れ替わりで入ってきたということになります。

「初期設定の19号・20号(ラスボスvar.)≒初期設定の17号・18号(未来人造人間レベル)」
※いずれも人造人間編の超悟空・超ベジータと、激闘を繰り広げる水準。


まとめると、最初に19号・20号をラスボスとするストーリー構想で、19号・20号が超トランクス(初登場時)の倍レベルの戦闘力者(未来を地獄に変える、恐るべき戦闘力レベル)として位置付けられる。
次に16号をラスボスとするストーリー構想で、17号・18号が前構想の19号・20号のポジション(超トランクスの倍レベル)に入れ替わりで入り、19号・20号はそれよりも大幅にランクダウン。
そしてセルを真の敵とするストーリー構想で、現代17号・18号が、未来人造人間を大きく上回る存在として描かれる。
このような流れになるのではないかと推測します。


続き:もともとの人造人間編構想(2)



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