【ドラゴンボール 戦闘力考察関係】

<アニメ版のブウ編クライマックスストーリー>

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考察の前に前置きしておきたいことがあります。
それはアニメ版のブウ編クライマックスストーリーとは、自分が作品を評価していく中で、物凄くムチャクチャなひどい物語の作り方という判断に達するものであるということです。

好きか嫌いかでいうなら嫌いです。
しかし作品の内容とは自分が気に入らなく思う方向に向かっていくことも当然あるものです。
適切な作品の内容判断というのは、そういったものも認めることにあると考えます。

作品の評価をする上でマイナスと判断するものとは、自分にとって気に入らない内容だと認識することではないかと思う。

自分がアニメ版のブウ編クライマックスはひどい内容だと認識しているのはなぜか。
それは途中までは原作と同じ設定で物語を進めていきながら、いきなり強引な設定変更で超3悟空を悟飯吸収ブウよりも格上にしてチビブウを最強の敵とする物語に突入しているからです。
あの世一武道会編の無理矢理インフレストーリーに似た性質でもあります。

アニメ版が原作に沿った内容で描かれていると判断されるのはどこまでなのか。
正確な判断は難しいですが、少なくとも悟空が老界王神の命で生き返り、ゴテンクス吸収ブウの前に立ちはだかるころは原作に沿った内容だったと考えています。

原作ではゴテンクス吸収ブウが超3悟空に襲い掛かろうとした直後に、体内のゴテンクスの変身時間が切れてピッコロブウへと姿を変えてしまいました。
しかしアニメ版ではその間に2人の戦闘場面が描かれ、ゴテンクス吸収ブウが余裕で超3悟空を追いつめていくという内容になっています。

ここから判断される力関係は、
「ゴテンクス吸収ブウ>超3悟空」

ここまでは原作に沿って描かれている内容と考えられます。

自分がムチャクチャなひどい物語の作り方だと判断する内容もこの先にあります。



−2−

ではアニメ版のチビブウが最強ではないかと推測するポイントはどこか。
これはいずれもアニメ版限定のセリフとなります。

1つ目がブウがチビ形態に変身した後の、悟空とベジータがポタラを握り潰した場面。

▽キビト界王神
「そ・・・それでブウに勝てるのですか?
・・・・・・あいつはもとの・・・・・・一番やっかいでパワーのある魔人ブウに戻ってしまったんですよ!」

2つ目が界王神界で悟空が最初に超2でチビブウと闘うオリジナルを挟んでから、超3に変身する直前の場面。

▽悟空
「魔人ブウ・・・・・・。ふざけたヤツだがパワーもスピードも回復力もすげえぜ・・・。今までのブウとは段違いだ!とんでもなくつええぜ!」

3つ目が超3悟空がチビブウに苦戦を強いられて体力切れでノーマルに戻り、いったんベジータに交代して回復し、再びベジータと交代して戦闘を再開する場面。
(ベジータが「がんばれカカロット・・・。おまえがナンバー1だ!!」と認める少し前)

▽悟空
「交代だベジータ・・・・・・。
魔人ブウはつええ・・・。オ・・・オラが今まで闘ってきた敵の・・・・・・その誰よりもつええ・・・!!だが・・・・・・オラはまだ負けちゃいねえ!」


チビブウはこれまでのブウの中で一番強いとはっきり断言されています。
(この言葉は当然吸収ブウも含まれていると判断するのが自然だと思われる)。

この言葉だけなら自分がアニメ版はチビブウが最強(悟飯吸収ブウよりも格上)という考察結論に達することはありませんでした。
その考察結論に達したのは以下の内容がきっかけとなります。

アニメオリジナルストーリーのブウの体内で悟空とベジータが、ニセ者の悟飯や超3ゴテンクスやピッコロと闘う場面。

この闘いの内容は悟空が超1で究極悟飯と互角に闘い、ベジータも超1で超3ゴテンクス&ピッコロの2人を相手に一進一退の攻防を繰り広げるというものです。

超1悟空と究極悟飯が互角などという解釈は普通に考えればあり得ないことだと思います。

しかし悟空はニセ悟飯との闘いでハッキリと
「どうやらパワーは本物みてえだな」と口にしています。

悟空が本物よりはるかに弱い相手を前にして、本物と強さは変わらないと判断するというのはあり得ないことだと思う。

また自分がアニメの話を作っていく立場を想定した場合、
ニセ悟飯を本物よりもはるかに弱い設定にしながら、悟空に「どうやらパワーは本物みてえだな」といったセリフを言わせるということも到底あり得ないように思います。

本物と同じ強さという設定でニセ悟飯を描く話だからこそ、
悟空に「どうやらパワーは本物みてえだな」
というセリフを言わせる(そのような脚本を書く)と考えるのが自然ではないかと思う。


そして「超1悟空=究極悟飯」という解釈を前提とするとどうなるか。
これは悟空が超2で悟飯吸収ブウクラスになることが予測され、超3悟空とチビブウは悟飯吸収ブウよりも格上と考えられてくるように思う。

超1悟空・・・・究極悟飯レベル
超2悟空・・・・悟飯吸収ブウレベル
超3悟空・・・・チビブウレベル(原作とは異なる最強設定)



−3−

アニメ版のブウ編クライマックスとは、ムリヤリな設定変更で、超1悟空と究極悟飯を同格としているものです。
この強さの引き上がりは、ベジータにも共通します。

ではなぜ超悟空と超ベジータは、ブウの体内で悪ブウに追いつめられていたのか。
これはその闘い内容からも判断できるように、ブウの体内でいくらブウを消し飛ばしても、無限に再生してくるという特性によるものではないかと思う。

この状況でブウを倒すには、ただブウの体内のブウを消滅させるだけではなく、本体のブウの体全体を消滅させなければならず、ノミよりも小さい状態でそれを行なうというのは、極めて困難なものだと考えられます。
悟空がブウの体内で、悪ブウをバラバラにしながらも、別の体内の壁部分からブウが出てきた場面。

▽悪ブウ
「くくっ・・・・・・。いいぞ いいぞ!もっとやれ!!ふっふっふ・・・・・・。
オレはただ待ってればいいんだからな・・・・・・。そうやってムダな攻撃でおまえがパワーを使い果たすのを・・・・・・」

これもそのような劣勢状況を示すものではないかと思う。

仮にブウの体内で「究極悟飯&超3ゴテンクスvs悪ブウ」という闘いがあった場合でも、それに似たような感じで追いつめられていくものだと推測します。
例えベジットでも、ブウの体内での闘いというのは、簡単なものではないというくらいの感覚で見るのが適しているのではないかと思う。



−4−

アニメ版の超1悟空が究極悟飯レベルで、超2悟空が悟飯吸収ブウレベルで「超3悟空vsチビブウ」を最強同士の最終決戦とする内容。
これはフリーザ編やセル編と同じく、最終決戦を倍スケールの2段重ねで描くというものではないかと推測します。

そうするとアニメ版ブウ編クライマックスの超2悟空や悟飯吸収ブウは、フリーザ編でいう20倍ノーマル悟空と50%フリーザ、セル編でいうフルパワー完全体セルと逆上超1悟飯のような、中段層のポジションとなります。

したがってアニメ版の「超3悟空vsチビブウ」は、フリーザ編の「超悟空vs100%フリーザ」やセル編の「逆上超2悟飯vs復活セル」のような感覚で描かれる最終決戦と考えられてきます。


最終決戦三段層法則
 
フリーザ編
セル編
アニメ版
ブウ編クライマックス
最終決戦下段層 [ノーマル悟空
(ウォーミングアップ時)]
[ノーマル悟空(本気)]
[超1悟飯]
[超1悟空]
[初期完全体セル]
[超1悟空]
[究極悟飯]
[超3ゴテンクス]
最終決戦中段層 [20倍ノーマル悟空]
[50%フリーザ]
[少年逆上超1悟飯]
[フルパワー完全体セル]
[超2悟空]
[悟飯吸収ブウ]
最終決戦上段層 [超悟空]
[100%フリーザ]
[少年逆上超2悟飯]
[復活セル]
[超3悟空]
[チビブウ]



−5−

ここで改めて、アニメ版ブウ編クライマックスの作品評価について考えていきたいと思います。
DBファンの間で、満足の得られない他のマンガ作品に対して、
「最近の○○○は、作品の質が低下している」 ※○○○は作品名
という言葉を聞くことがあります。
(※作品名の一例「ワン○ース」「こ○亀」)

これと同一の見方をアニメ版ブウ編クライマックスに当てはめた場合、作品の質は相当に低いと判断されるものになるのではないかと、自分は思う。
その理由が、ムチャクチャなストーリーの作り方で、物語の途中からいきなり強引な設定変更で、超1悟空と究極悟飯を同格にして、超3悟空とチビブウを最強にするという内容になっていると判断するからです。

もしアニメ版のブウ編が原作と同じ解釈ができると判断するものなら、作品として大きく目立った欠点はないということになりますが、自分にとってそれはとても考えにくいものです。

あの世一武道会編とアニメ版ブウ編クライマックス。
この2つは、作品の評価をしていく中で、減点ポイントの大きいトップ2ではないかと考えます。



■アニメ版ブウ編クライマックスの作品評価

・作品の質としては、相当に低い。
「原作のブウ編の作品の質>アニメ版のブウ編の作品の質」
(DBファンが満足の得られない他のマンガ作品に対して「最近の○○○は作品の質が低下している」と指摘するケースよりもさらに低いように自分には思える)
※○○○は作品名。(※作品名の一例「ワン○ース」「こ○亀」)

−理由−

物語の途中までは原作と同じ強さで話を進めていきながら、終盤に入っていきなり強引な設定変更で、超1悟空と究極悟飯を同格にして、超3悟空とチビブウを最強にする物語になっていると判断するから。
(アニメ版のブウ編は、決して原作と比較して目立った粗が見当たらないという性質のものではない)

−総評−

原作のブウ編の時点で作品の質の低下について語られるが、アニメ版はこのようなクライマックスによってさらに質の低下が増大したものになっている。
原作と変更してその設定の話にするなら物話の中で悟空のオリジナルパワーアップ描写が必要だったのではないだろうか。

「原作ブウ編クライマックスの作品の質>アニメ版ブウ編クライマックスの作品の質」
「ワンピース・こち亀の作品の質>DBアニメ版ブウ編クライマックスの作品の質」




■ブウ編の原作とアニメ版のちがい

【原作】

・「悟飯>悟空」
・ブウ最強形態は、悟飯吸収ブウ。

−詳細−

「悟飯吸収ブウ≧ゴテンクス吸収ブウ>究極悟飯≧超3ゴテンクス≧悪ブウ>チビブウ=超3悟空>太っちょブウ」
※チビブウが南の界王神を吸収した時のマッチョブウは、悪ブウよりも上。


【アニメ版】

・「悟空>悟飯」
・ブウ最強形態は、チビブウ。

−詳細−

超1悟空・・・・究極悟飯レベル
超2悟空・・・・悟飯吸収ブウレベル
超3悟空・・・・チビブウレベル(原作とは異なる最強設定)

※原作にはない作品の質の低下要因。





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