【ドラゴンボール 戦闘力考察関係】

<ナッパの戦闘力(5) 〜タフさについて〜>

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ナッパの戦闘力は4000〜5000ほどで、悟空(8000)との戦闘力差は5割以上でありながら、戦闘力差の法則が適応しない時期という点を踏まえ、フリーザ編以降の基準でいう圧倒差(20〜25%差)ほどではないかと考えました。
そこで見ていきたいのが、ナッパのタフさについてです。

餃子の自爆をくらったナッパが、ケムリの中から平然と出てきた場面。

▽クリリン
「そそ・・・そんな・・・!へ・・・平気だなんて・・・!!ひ・・・ひでえよ・・・。餃子のやつ、命まではったのに・・・・・・!!」

天津飯の気功砲をくらったナッパが、平然としている場面。

▽ピッコロ
「ま・・・まさか・・・・・・。や・・・やつは不死身か・・・・・・・・・!?」

頭に血が上ったナッパを悟空が打ちのめし、岩に叩きつけられたナッパが出てきた場面。

▽悟空
「なるほど。とんでもねえタフさなのは、さすがだな!」

ナッパの最高の技(口からエネルギー波)を、悟空がかめはめ波で相殺した場面。

▽悟空
「ほんとにタフなやろうだ・・・!かめはめ波を少しはくらったはずなのに・・・!!このままじゃきりがなさそうだ・・・・・・」

ナッパは、タフさを売りにした戦士です。



−2−

ナッパのタフさとは、どのようなものか。
これはRPGでいう、HPに近い感じでとらえられるものではないかと思う。
ダメージを受けることで減少していくHPとは、バビディの宇宙船のステージバトルの時に出てきたダメージエネルギーに類似する性質のものだと考えました。
そしてヤムーたちがエネルギー吸引器で超2悟飯からエネルギーを吸収した方式が、19号・20号のエネルギー吸収と同方式と推測される点。
ここからダメージエネルギーと19号・20号の吸収するエネルギーも、同物質的なものだと考えられます。
格闘ゲームでダメージを受けると減少する体力メーターが、エネルギーを吸収して減少するものであることも伺えるように思う。

RPGでダメージを受けると減少していくHPと、作中でダメージを受けると減少していくエネルギー値にはちがいがあります。
前者のHPはダメージを受けた時だけ減少していくのに対し、後者のエネルギー値はそれ以外にもエネルギー波系の技やパンチやキックなどの肉弾攻撃や舞空術など、体力消費につながる行動全般が減少対象となります。
よってRPGがリアルに原作を再現するなら、HPと技消費値(BEorKI)を融合させ、肉弾攻撃の動作でも減少するような性質にしなければなりません。

詳細:エネルギーとは
詳細:エネルギー=体力
詳細:エネルギーとダメージ
詳細:RPG理論(2)



−3−

原作のナッパのタフさをRPGのHPとする見方は、厳密には正しいものではありません。
しかしとりあえずここでは、ダメージを受けると減少すると減少する物質という部分に重点を置いて、ナッパのタフさ(体力の多さ)はRPGでのHPに相当するものとして見ていきます。

FC版「強襲サイヤ人!」から、ナッパの能力値を見ていきます。


■FC版「強襲サイヤ人!」の能力値

【ベジータ】
BP:18000
HP:1200

【ナッパ】
BP:4000
HP:1800

※BPは戦闘力


このゲームでは、ナッパのHPが「1800」と、ベジータの「1200」の1.5倍で設定されています。
原作にこの考え方(スタミナで「ナッパ>ベジータ」)が当てはまるかといったら、かなり疑問なところがあります。
しかしナッパのタフさというのが、RPGでいうHPで表現されるものという部分は、まちがっていないのではないかと思う。

ナッパの驚異的なタフさとは、同じ戦闘力の者なら誰でもそのくらいのタフさがあるというものではなく、同一戦闘力者の中でも相当にタフだと判断されるものです。
RPGだとBP(戦闘力)は同じでも、HPでかなり差があるといったものになります。


■SFC版「超サイヤ伝説」より

【ギニュー】
BP:120000
HP:396

【ミルガ】※外見はギニューと同じで、体が黄色。
BP:105000
HP:217


ミルガの戦闘力(BP)は105000で、ギニューの120000に迫る強力なもの。
これはミルガとギニューは攻撃力や防御力が、それほど変わらないという形で反映されています。
しかしミルガのHP(217)は、ギニューのHP(396)の半分近くのため、ミルガを倒すまでのターン数(倒すまでの時間)もギニューの半分程度で済みます。
ナッパが同一戦闘力者の中でも、かなりのタフさで倒すのにかなり時間を費やすというのは、これと同じように考えられるものではないかと思う。

詳細:サイヤ人編後半特有の戦闘概念



−4−

ただしこのような見方は、戦闘力差の法則の適応範囲であるフリーザ編以降の物語には適応されません。
RPGでは戦闘力(BP)が互角でもHPに大きな差があって、倒す難易度が変化するというのは日常茶飯事です。
そしてナッパ戦時期の戦闘力概念がRPG形式に近いことを踏まえると、戦闘力が互角であることが五分五分になるという見方には、とてもつながらなくなってくるのではないかと思う。
(ナッパが、同戦闘力者の他者と闘う場合など)。

しかしフリーザ編以降の物語とは、基本的に戦闘力が互角なら勝敗は五分五分という見方をしていくものです。
「超2悟空vs超2ベジータ(魔力覚醒後)」は、戦闘力が互角だからどちらが勝ってもおかしくないという見方になります。
GTの「超4悟空vs四星龍」も同様です。
また「超悟空vs100%フリーザ」も、仮に100%フリーザに持続時間の短さという欠点がなければ、どちらが勝ってもおかしくない力関係という見方をされるのではないかと思う。

これらは格闘ゲーム方式で、DBの格闘ゲームでそれらの対戦が行われた時のような状況で、描かれていると推測するものです。
(通常の対戦モードで、通常のパンチやキックやエネルギー弾が、双方とも同格なのは、互角の戦闘力状態に相当し、それらの闘いは同じ体力で競われるため)。

詳細:戦闘力差の法則に適した戦闘概念



−5−

悟空に「このままじゃきりがなさそうだ・・・・・・」と言わせるほどのナッパのタフさとは、当時の戦闘力概念がRPG(強襲サイヤ人や超サイヤ伝説)のように、戦闘力が互角であることが互角の力関係という見方につながらないものだからと考えられます。
フリーザ編以降の戦闘力差の法則に基いて描かれている物語領域で、戦闘力が互角なら力関係も互角という見方につながっていく中では、ナッパのような異常なタフさはないと解釈していいのではないかと思う。

ただしフリーザ編以降に、タフさという要因が存在しないわけではありません。
「悟飯vsセル」の戦闘序盤で、セルが悟飯を気合砲でふっとばしながら、悟飯が戻ってきた場面。

▽セル
「こいつはおどろいた・・・・・・・・・・・・。ことのほか、タフじゃないか・・・」

セル戦の悟飯は、タフという型に分類されるものです。
ただし戦闘力が互角なら力関係も互角、「ベジータvsキュイ」のように33.3333・・・%差開くと瞬殺可能という見ていき方に、あまり影響が出ない範囲のものではないかと思う。
例えばセル戦悟飯が自分と互角の戦闘力者と闘えばほぼ互角の力関係と判断され、自分の33.3333・・・%増の相手と闘った場合、ほぼ瞬殺といっていい闘いになるという見方になります。

「悟空vsナッパ」の優劣は、戦闘力差は5割以上の開きがありながら、フリーザ編以降の戦闘力差の法則でいうなら圧倒差(20〜25%ほど)に相当するものだと考えました。
(ナッパの口からエネルギー波が悟空にまともに炸裂したら大ダメージになると予測される点から「ベジータvsキュイ」の力の差以内には収まると判断されるなど)。

よってナッパのタフさとは、その圧倒1つ分上の戦闘力者が、
「このままじゃきりがなさそうだ・・・・・・」
と言わせるほどに、手を焼かされるものだと考えられます。

ではフリーザ編以降の戦闘力差の法則に基いて描かれる物語の場合、これと同じようなことは起こるのか。
これはおそらくないのではないかと思う。
「1回目のベジータvs変身ザーボン」のような圧倒差の優劣の中で、格上側が「このままじゃきりがなさそうだ・・・・・・」と手を焼くといったことは考えにくいものがあります。

「超3ゴテンクスvs悪ブウ」も、超3ゴテンクスはエネルギー消費の激しさでスタミナが少なく、悪ブウは再生回復能力でスタミナは相当のものになるという部分がありながら、その他の10%優劣バトル(悟天vsトランクスなど)とほぼ同じように見ていかれるものです。
そこからも戦闘力差の法則が対応するフリーザ編以降の物語では、格下側がタフさで格上側にくらいついていける範囲が、サイヤ人戦のころよりも大幅に縮小していることが伺えるように思う。

2割差で圧倒といった戦闘力差の法則は、フリーザ編以降の物語に当てはまるもので、ナッパ戦のころには当てはまらないものだと考えました。
それと同じく、ナッパが悟空にキリがなさそうだと感じさせるほどのタフさというのも、この時期のストーリーならではのもので、戦闘力差の法則に基いて描かれるフリーザ編以降の物語にはないのではないかと推測します。


■サイヤ人編後半(現戦闘力概念に対応時期)
・戦闘力差の法則が対応しない物語領域。
(5割差開いていても、瞬殺不可能)
・「悟空vsナッパ」戦より、格下側がタフさで格上側にくらいついていける範囲が大きいと判断される。

■フリーザ編以降
・戦闘力差の法則に対応する物語領域。
(20〜25%差で圧倒、33.3333・・・%差で瞬殺など)
・「超3ゴテンクスvs悪ブウ」戦より、格下側がタフさで格上側にくらいついていける範囲が小さいと判断される。
※セル編超1悟飯のタフさも、悪ブウが再生回復能力で格上側にくらいついていける程度より低いと思われる。




■サイヤ人編後半時期の戦闘概念(旧戦闘力概念で描かれる、サイヤ人編前半を除いたもの)

1.戦闘力差の法則に基かずに描かれる物語領域
・悟空vsナッパの戦闘力差は5割以上の開きがあるものだが、フリーザ編以降での圧倒差(20〜25%差)に相当する優劣。
(ナッパの口からエネルギー波が悟空にまともに炸裂したら大ダメージになると予測されることから、「ベジータvsキュイ」の力の差以内には収まると判断されることより)
※フリーザ編以降の基準と比べて、戦闘力がかなり開いていても長期の勝負に持っていきやすい要素は、「強襲サイヤ人」や「超サイヤ伝説」のようなRPGで2倍くらい戦闘力が開いても、そこそこの長期戦になる要素に類似する。

2.「互角の戦闘力=五分五分の勝敗予測」という見方に、つながらない概念。
・RPGではBP(戦闘力)が互角のバトルでも、HPに大きな差があって片方が余裕を持って順当に勝つように、この時期のストーリーも互角の戦闘力でも体力差で片方が順当に勝つものとなる。
(ナッパのタフさは、そのような状況でかなり優位に働く)

■フリーザ編以降の戦闘概念

1.戦闘力差の法則に基いて描かれる物語領域
・20〜25%差で圧倒、33.3333・・・%差で瞬殺、50%差で格上側が相手の強力必殺技をまともにくらっても小ダメージなど。

2.「互角の戦闘力=五分五分の勝敗予測」という見方に、つながる概念
※「超2悟空vs超2ベジータ(魔力覚醒後)」「超2悟飯vs復活セル」「超4悟空vs四星龍」など。
※「超悟空vs100%フリーザ」「ピッコロvs17号」「第1セルvs16号」「超3悟空vsチビブウ」も、エネルギー消費の激しさや永久エネルギー炉や再生回復能力といった要素を排除すれば、五分五分の勝敗予測になる。
・格闘ゲーム式の戦闘概念。両者の通常パンチ・キック・エネルギー弾が同等の威力なのは、互角の戦闘力設定のバトルといえるもので、それらが互角の体力の中で競われるのと類似。
・「33.3333・・・%差開くと瞬殺可能」「10%差が勝敗が予測可能な最小幅」といった見方も、この概念によって成立する。
・セル編超1悟飯のようなタフさという要素は存在するが、それでも戦闘力が互角なら勝敗予測は互角、33.3333・・・%差で瞬殺可能といった見方がほぼ当てはまると予測されることから、格下側がタフさでくらいつける範囲はナッパ戦時期よりもかなり縮小している。



※関連考察

ナッパの戦闘力(1)〜戦闘力差の法則の適応範囲〜

ナッパの戦闘力(2)〜戦闘力差の法則の適応範囲〜

「悟空&ピッコロvsラディッツ」の優劣

サイヤ人編後半特有の戦闘概念

戦闘力差の法則に適した戦闘概念

ナッパの戦闘力(3) 〜悟空との優劣〜

ナッパの戦闘力(4) 〜悟空との優劣〜

ナッパの戦闘力(5) 〜タフさについて〜




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