【ドラゴンボール 戦闘力考察関係】

<ナッパの戦闘力(4) 〜悟空との優劣〜>

−1−

ベジータの見立てる冷静になったナッパがとらえられる悟空とは、本気ではないもの(頭に血がのぼったナッパをボコるのに十分な力)だと考えました。
なぜベジータは、戦闘力8000という数値から順当に考えられる悟空の強さ(本気)ではなく、それよりも劣る力(ここまでの闘いを見て判断できる悟空の強さ)を前提に「ナッパvs悟空」の戦況分析を行うのか。
それはベジータにとって、スカウターで見た戦闘力8000という数値が、完全に信用できるものではなく、半信半疑のような状態だったからではないかと思う。

ここで見ていきたいのが、悟空が戦闘力を8000まで上昇させた直後にナッパが飛びかかり、それを悟空が瞬時にかわして背後から蹴りを入れた場面。
この時のベジータの反応が「(なにっ!!!?)」と驚いているというものです。

なぜこの時の悟空の動き(ナッパの攻撃をかわして、背後から蹴りを入れる)が、ベジータにとって想定外のものとなるのか。
もしベジータがこの時の悟空を戦闘力8000という数値から順当に想定できる強さだと思っていたら、おどろくことでもなんでもないはずです。
これはベジータがスカウターの数値(8000)を完全に信じきれていず、半信半疑のような状態だったからではないかと思う。

またその後のナッパの連続攻撃(パンチやキック)をかわし続ける悟空が、少し離れたところへ移動した場面。

悟飯「み・・・見えましたか・・・・・・?おとうさんの動き・・・」
クリリン「い・・・いや・・・」

ベジータ「(どういうことだ・・・。カカロットのやつ。どうして短期間のうちに、こうも力をつけた・・・・・・)」

このベシータの反応も、今現在の悟空の動き(ナッパの連続攻撃をかわし続ける)を見て、悟空にそれだけの力があるという認識に至っているという見方が、適切ではないかと思う。



−2−

このような、自らの目を疑うような戦闘力数値を見た時には、実際にその強さを見ないと信じ切ることはできないというのは、その他の場面でもよく見られます。

ベジータがキュイ戦で戦闘力を24000まで上昇させていくのを、ザーボンたちがスカウターで見ている場面。

[ザーボンのスカウターが、爆発する]

ザーボン「こ・・・故障だとは思うが・・・・・・ベジータにセットしたスカウターの数値が、に・・・22000を超えたあたりで・・・・・・・・・」
ドドリア「にっ 22000だと・・・・・・・・・・・・!?
そりゃホントに故障だぜ。おまえのスカウターは旧型だからな。オレので正しい数値を調べてやる」

《ピピピピピピピ・・・・・・!!》
[ドドリアのスカウターで、戦闘力を計測]

ザーボン「数値は・・・?」
ドドリア「そ・・・そんなバカな・・・。オ・・・オレの新型も故障か・・・!?に・・・24000まで上がっている・・・!!」
ザーボン「24000・・・!?わ・・・我々の戦闘力を上回るというのですか・・・!?」
ドドリア「ま・・・まさか・・・!!あ・・・あいつの戦闘力は18000がやっとだった・・・」

この時のドドリアやザーボンは、スカウターの故障を疑いながら、あせった表情をしていることから、24000という数値に半信半疑になっていると見ていいのではないかと思う。

そしてベジータが、キュイを倒した場面。

▽ドドリア(スカウターを通じて、それを知って)
「ベ・・・ベジータの24000・・・ てえ数は、やっぱりホンモノだぜ・・・。・・・・・・・・・あっさりとキュイのやつを、や・・・やりやがった・・・」

ドドリアは、ベシータがキュイを倒したのを、実際にスカウターを通じて見て、24000という数値は本当だったという認識に至ります。


次にラディッツが死んだのを知ったベジータとナッパが地球に向かい始めた時の、宇宙船内での通信会話を見ていきます。

ベジータ「それにしてもカカロットの息子の戦闘力は、サイヤ人の子供と比べても異常に高いな・・・」
ナッパ「なんかのマチガイじゃなかったのか!?」
ベジータ「いや、マチガイなんかじゃない。現にラディッツのやつは、あのガキの一撃で大きなダメージをくらってしまった・・・」

これもベジータがスカウターに表示された悟飯の戦闘力(1307)を正しいと確信を持って認識できたのは、ラディッツが悟飯の一撃で大きなダメージを負ったという事実からです。
(これがなければ、半信半疑だったはず)。

これらから、スカウターが自らが信じがたい戦闘力数値を計測した時の状況とは、それだけで完全に信用するのではなく、実際にその強さによって起こる事柄を見て確信に至るというのが、基本的な傾向としてあるように思う。
悟空が飛びかかってきたナッパをかわし、瞬時に背後から蹴りを入れた時の、
ベジータの「(なにっ!!!?)」という想定外の反応。
これも悟空の戦闘力8000という数値を見ても、それだけでは完全に信用できていないという、スカウターを疑うパターンの1つだと考えられます。



−3−

悟空の戦闘力上昇が止まり、大気の震えが止まった場面。

ナッパ「べ・・・ベジータ。カカロットの戦闘力はいくつになった!!」
ベジータ「8000以上だ・・・!」

《グシャ》
[スタウターを握りつぶすベジータ]

ナッパ「は・・・8000以上・・・!?そりゃあマチガイだぜ!故障だ!!」

ナッパは悟空の戦闘力8000という数値を、スカウターの故障だと決め付けています。
「てめえなんかが、このナッパ様にかなうわけがないんだ!!!」と飛びかかった時も、ナッパは悟空が自分よりも格下だと判断しているとみていいように思う。

ではこの時のベジータの思考は、どうなのか。
飛びかかったナッパを瞬時にかわした悟空が、背後から蹴りを入れるのを見て、
「(なにっ!!!?)」と想定外の反応をしていることから、ベジータの思考もナッパとある程度かぶるところがあったと見ていいのではないかと思う。
ナッパのように完全にスカウターの故障だと決めつけることはないにしても、戦闘力8000という数値を完全に信用しているわけでもなく、半信半疑といった状態ではないかと推測します。


●ナッパの思考
悟空を自分より格下だと決め付けている。
(スカウターは、故障だと決め付けている)

●ベジータの思考
本当に悟空がナッパよりも上の強さ(スカウター通りの8000)なのか、見て判断しようとしている。



ベジータがスカウターの戦闘力8000という数値を目にした時点では、まだ悟空が頭に血がのぼったナッパをボコるほどの強さがあるという認識には至っていません。
(ナッパの背後から蹴りを入れた時の「(なにっ!!!?)」という反応より)。

そしてそれ以降は、スカウターの8000が本当に故障ではないのか、実際の悟空の闘いを見て、確かめようとしていると解釈していいのではないかと思う。

ナッパが背後から蹴りを入れられて、起き上がってきた場面。

▽ベジータ
「(妙だ・・・。ラディッツと闘った時とは、まるで戦闘力がちがう・・・!)」

その直後のナッパの連続攻撃(パンチやキック)を悟空がかわし、少し離れたところへ高速移動した場面。

▽ベジータ
「(どういうことだ・・・。カカロットのやつ。どうして短期間のうちに、こうも力をつけた・・・・・・)」

ベジータがナッパに、冷静になれと忠告した後。

▽ベジータ
「(ちっ。単細胞のバカめが・・・!この調子では、オレの出番がまわってきそうだぜ・・・・・・・・・)」

これらは、実際の悟空の闘いを見て、戦闘力8000という数値が本当に正しいものなのか、確かめようとしていると考えられます。



−4−

頭に血がのぼったナッパを悟空が圧倒して、打ちのめした場面。

▽ベジータ
「おろかものめ!!!!頭を冷やせ、ナッパ!!!!冷静に判断すれば、とらえられんような相手ではないだろう!!!おちつくんだっ!!!!」

これは戦闘力8000という数値から順当に考えられる強さの者でも、ナッパはとらえられるという意味ではなく、頭に血がのぼったナッパを圧倒する悟空(本気ではない)なら、ナッパはとらえられるという意味だと考えられます。

冷静になったナッパが、悟空とかなり競り合う場面。

▽悟空
「へ〜〜!ずいぶんマシになったじゃないか!」

ここからも、この時の悟空は本気ではないということが、伺えるように思う。

悟空が力を込めて大気を振るわせながら戦闘力を8000まで上昇させ、それに続くナッパとの闘いでは本気を出していない(力を抑えている)という行動。
これはベジータが力を込めて大地を揺らし、気を全開に高めながら、それに続く悟空への攻撃(頭突き→ひじ討ち→背後からの蹴り)は、本気を出していない(力を抑えている)というのと同じではないかと思う。

そしてナッパの最高の技の口からエネルギー波。
これはキュイの必殺連続エネルギー波のように、瞬殺1つ分上くらいの相手にでも、まともに炸裂させれば大ダメージが与えられると推測されるものです。
(この手の技をくらっても平気でいられるためには、「ベジータvsリクーム」のような圧倒2つ分くらいの差が必要になる)
そしてその技を近距離から相殺するためにかめはめ波を放った時が、本気への引き上げ。

▽悟空
「ほんとにタフなやろうだ・・・!かめはめ波を少しはくらったはずなのに・・・!!このままじゃきりがなさそうだ・・・・・・」

これは界王拳なしの上限戦闘力を発揮したと考えられるものです。
「悟空vsヤジロベー」に似た感じて、とらえていいものではないかと思う。

悟空がかめはめ波で相殺して、周囲に爆風が吹き荒れる場面。

▽ベジータ
「なんというやつだ・・・!!!あんなに近い距離から一瞬で切り返しやがった・・・!!」

これは悟空の評価の引き上げで、冷静になったナッパならなんとかなるという見立てから、ナッパでは勝ち目がないという見立てに変わったというものではないかと思う。

その直後に交代を命じる場面。

▽ベジータ
「もういい!!降りてこいナッパ!!!きさまではラチがあかん!!オレが片づけてやる!!」

この決断につながるものです。



−5−

ベジータの思考とは、スカウターの戦闘力8000という数値を見た時点では、まだ半信半疑の状態で、実際に悟空の闘いの動きを見て、本当にそれだけの強さがあるのか確かめようとしているものだと考えました。
よって悟空がナッパの最高の技をかめはめ波で相殺した本気動作を見て、評価を上げた場面。
(冷静になったナッパでも勝ち目がないと判断して、交代を決断した場面)。
これがスカウターの戦闘力8000という数値は本当だった(スカウターの故障ではなかった)という確信に至った時ということになります。

ベジータがスカウターの感知した、ラディッツ戦悟飯の高い戦闘力(1307)を正しいと判断した要因となる、
「いや、マチガイなんかじゃない。現にラディッツのやつは、あのガキの一撃で大きなダメージをくらってしまった・・・」
これと同じ流れで、考えられるものです。



−6−

ベジータの見立てる冷静になったナッパが張り合える強さの悟空とは、8000という戦闘力から順当に考えられるものではなく、頭に血がのぼったナッパを圧倒するくらいの本気ではないもの。
それらを踏まえ、ナッパの戦闘力は4000〜5000ほど(逆上悟飯の2800と悟空の8000のだいたい中間くらい)という見方になります。
また実力の優劣は、フリーザ編以降の戦闘力差の法則(20〜25%差で圧倒できるなど)は当てはまらないという見方を前提に、逆上悟飯の圧倒1つ分上がナッパで、その圧倒1つ分上が悟空くらいではないかと考えます。

「悟空とナッパの力の差」「ナッパと逆上悟飯の力の差」。
これは「ベジータvsリクームの力の差」のような、下手側の強力必殺技をまともにくらっても平気なくらいの優劣よりも小さなもの。
そして「ベジータvsキュイの力の差」のような、下手側の強力必殺技をまともにくらうと大ダメージのような優劣以内に収まるといった見方からです。

さらにナッパが逆上悟飯の魔閃光を弾いて、腕がしびれたという内容。
これは「悟空vsジース(60000:45000)」の瞬殺差と推測する優劣(クラッシャーボールをたやすく弾く)よりも小さいということで、圧倒差が妥当ではないかと考えます。



■ナッパの戦闘力
・4000〜5000ほど。
(フリーザ編以降の、戦闘力差の法則は当てはまらないものとして見ていく)
・悟空(8000)との戦闘力差は、6割〜2倍ほどだが、フリーザ編以降の戦闘力差の法則だと圧倒差(20〜25%差)くらいのもの。
・逆上悟飯(2800)との戦闘力差は、43〜78%ほどだが、フリーザ編以降の戦闘力差の法則だと圧倒差(20〜25%差)くらいのもの。
(フリーザ編以降の瞬殺基準の33.3333・・・%差ほどだと、悟空がジースのクラッシャーボールを簡単にはじいたように、逆上悟飯の魔閃光をナッパは簡単に弾けなければならないため)

■実力優劣
・ナッパは、逆上悟飯の圧倒1つ分上ほど。
(逆上悟飯の魔閃光が、ナッパにまともに炸裂したら、大ダメージになると予測されることから)
(ナッパが魔閃光を弾く動作は、悟空がクラッシャーボールを弾いた時ほど、簡単にはできないから)

・悟空は、ナッパの圧倒1つ分上ほど。
(ナッパの最高の技が、悟空にまともに炸裂したら、大ダメージになると予測されることから)

・悟空は、逆上悟飯の圧倒2つ分上ほど。
(逆上悟飯の魔閃光が、悟空にまともに炸裂しても大したダメージにならないくらいではないかと推測することから。「ベジータvsリクーム」戦同様)



※関連考察

ナッパの戦闘力(1)〜戦闘力差の法則の適応範囲〜

ナッパの戦闘力(2)〜戦闘力差の法則の適応範囲〜

「悟空&ピッコロvsラディッツ」の優劣

サイヤ人編後半特有の戦闘概念

戦闘力差の法則に適した戦闘概念

ナッパの戦闘力(3) 〜悟空との優劣〜

ナッパの戦闘力(4) 〜悟空との優劣〜

ナッパの戦闘力(5) 〜タフさについて〜




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