【ドラゴンボール 戦闘力考察関係】

<ナッパの戦闘力(2)〜戦闘力差の法則の適応範囲〜>

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「悟空vsナッパ」「逆上悟飯vsナッパ」の戦闘力差は、いずれも「ベジータvsキュイ」の力の差(格上側が、相手の強力必殺技をまともにくらうと大ダメージ)以内に収まるもので、より最適なのは圧倒差と推測されるものです。
しかしそのような戦闘力は、存在しません。
どちらかをその力の差以内(33.3333・・・%差以内)に収めると、もう片方は「ベジータvsリクーム」の力の差以上(50%以上)になってしまいます。

なぜこのような事態が生じるのか。
それは「戦闘力の開きと実力差の法則」に基づく作品内容とは、フリーザ編から始まったもので、この時期のストーリーには存在していなかったからではないかと思う。
法則には適応範囲というのがあります。

戦闘力概念も、かめはめ波のような気をためる必殺技が戦闘力のコントロールできる者の特権とする旧式と、戦闘力を自然値よりも引き下げることを戦闘力のコントロールとする現在式の2種類が存在します。
現戦闘力概念の定義は、ラディッツ戦のころには適応されません。

それと同じく「戦闘力の開きと実力差の法則」も、法則に基づいて描かれる物語領域と法則が適応されない物語領域に分かれます。
「戦闘力の開きと実力差の法則」はナッパ戦のころには、適応されません。


もう少し細かく考えていきます。
現戦闘力概念が作品全体に当てはめて考えることができるものではないように、「戦闘力の開きと実力差の法則」も作品全体に当てはめて考えられるものではありません。
そして「戦闘力の開きと実力差の法則」が明らかに当てはまらないと考えられるのが、旧戦闘力概念の物語領域ではないかと思う。

また「ベジータvsキュイ」戦から判断される、自分を瞬殺するレベルにでも強力必殺技(かめはめ波レベル)をまともに炸裂させれば大ダメージを与えられるという定義。
これは自分の自然値の33.3333・・・%増の相手にでも、強力必殺技(かめはめ波レベル)をまともに炸裂させれば大ダメージを与えられるという意味のものです。
しかし旧戦闘力概念ではかめはめ波自体が自然値の2倍以上に戦闘力が上昇してしまうもののため、この定義と組み合わせるのは不可能です。
さらに旧式ではかめはめ波のような気をためる必殺技が戦闘力のコントロールができる者の特権になっているため、キュイの必殺連続エネルギー波やジースのクラッシャーボールが悟空のかめはめ波と並べて考えられる強力技という見方がなりたたなくなってしまいます。

これらから「旧戦闘力概念」と「戦闘力の開きと実力差の法則」は明らかに組み合わない性質のものと考えられるように思う。
ラディッツの戦闘力(自然値で悟空の3倍以上)が、この法則に当てはめると明らかにおかしくなるのもその理由が原因しています。



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「戦闘力の開きと実力差の法則」は現戦闘力概念を土台として描かれるものです。
しかし現戦闘力概念の物語領域に移行したと同時に「戦闘力の開きと実力差の法則」に基づいて描かれるようになったのかというと、そうではないと思う。

現戦闘力概念て描かれていながら「戦闘力の開きと実力差の法則」が存在しない物語領域というのが存在し、それがナッパ戦のころのストーリーです。

これが「悟空vsナッパ」の戦闘力差。
「逆上悟飯vsナッパ」の戦闘力差。
この両方が「ベジータvsキュイ」の戦闘力差(33.3333・・・%差)以内に収まる戦闘力というのが、存在しない理由です。

この時期のストーリーは戦闘力が5〜6割(またはそれ以上)離れていても、上手に強力必殺技がまともに炸裂したら大ダメージを受けるような内容で描かれていると見ていいのではないかと思う。

よって「悟空vsナッパ」の力の差は「ベジータvsキュイ」の力の差以内に収まるものだけど、戦闘力は5割以上離れていてもいいものだという見方をします。
「逆上悟飯vsナッパ」の力の差も同様で「ベジータvsキュイ」の力の差以内に収まるものですが、戦闘力は5割以上離れていてもいいものだという見方になります。

この時期の戦闘力判断は難しいものがありますが、とりあえずナッパの戦闘力は悟空(8000)と逆上悟飯(2800)のだいたい中間くらいということで、4000〜5000ほどではないかと推測します。



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実力の優劣という視点で見ると、逆上悟飯の圧倒1つ分上がナッパで、その圧倒1つ分上が悟空(界王拳なし)という見方になります。
逆上悟飯の魔閃光がナッパにまともに炸裂しても平気(大したダメージにならない)といったことは、極めて考えにくいように思う。
よって「逆上悟飯vsナッパ」の力の差は「ベジータvsリクーム」の力の差よりも小さなものとなります。

そして逆上悟飯の魔閃光がまともに炸裂しても平気なくらいの実力者が、サイヤ人戦の悟空(8000)となるのではないかと思う。
およその目安として、逆上悟飯と悟空の力の差が「ベジータvsリクーム」くらいの圧倒2つ分くらいではないかと推測します。

逆上悟飯(2800)と悟空(8000)の戦闘力差は「2.857・・・倍」で、約3倍弱。
これがフリーザ編では「ベジータvsリクーム」のような、50%差(1.5倍差)として表現されるという見方になります。



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「戦闘力の開きと実力差の法則」に基づいて、描かれるようになったのはどこか。
これはフリーザ編からではないかと、考えられます。

「ベジータvsキュイ」(33.3333・・・%差)
瞬殺差
(上手に強力必殺技がまともに炸裂したら大ダメージになることが予測される)

「ベジータvsドドリア」「ベジータvs変身前ザーボン」
勝敗が予測できる中での最小幅
(「悟空vs完全体セル」のような「多分勝てる(多分勝てない)」といった力の差よりも一回り広く、10%差と推測)

「1回目のベジータvs変身ザーボン」(約25%差)
圧倒差

「ベジータvsリクーム」(5割差)
(上手に強力必殺技をまともに炸裂させても小ダメージ)
圧倒2つ分(上辺25%差と下辺20%差の合計)

「悟空vsリクーム」「悟空vsジース&バータ」(33.3333・・・%差)

「悟空>リクーム(=ジース・バータ)>ベジータ」の力関係は、
「対比率 30:45:60 法則」(逆向き)に基づく

このように「戦闘力の開きと実力差の法則」に基づいた物語は、フリーザ編から始まっていきます。
よってサイヤ人編までが、この法則に基づかずに描かれている物語領域となります。


しかしこの法則のモデル元となるものは、サイヤ人編に存在しています。
「ベジータvsキュイ」(24000:18000)の33.3333・・・%差で瞬殺可能となる内容。
これは3倍界王拳悟空(24000)が地球来襲ベジータを圧倒したものがモデルになっているのではないかと思う。
地球来襲ベジータは数々の実戦でキュイをわずかに上回ります。
戦闘力にすると19000くらいと推測するものです。

戦闘力18000のキュイは「24000」という戦闘力に瞬殺されるくらい。
戦闘力19000級の地球来襲ベジータは「24000」という戦闘力に圧倒されるくらい。

サイヤ人編は「戦闘力の開きと実力差の法則」に基づかずに描かれている物語領域ですが、3倍悟空(24000)がベジータを圧倒した内容は法則のモデル元になっているものだと推測します。


「戦闘力の開きと実力差の法則」に基づいて描かれる物語領域には「デジタル的な作品の空気」というのが存在しているように思う。
ナッパとの闘いのころはその時期とは異なる「アナログ的な作品の空気」というのが感じられます。
それ以前のストーリーも同様です。

その人の作品の見方にもよりますが、このような作品の空気みたいなものを感じとることが重要ではないかと自分は考えます。



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法則には、適応範囲というものが存在します。
ニュートンの力学法則は、基本的にどのような物体にも適応できるものです。
しかし光速に近い物体には適応されず、これにはアインシュタインの相対性理論を当てはめる必要があります。
これに関して「ニュートンの力学法則は破綻した」と言われることがありますが、
実際は「ニュートンの力学法則の適応範囲には限界がある」という言い方が適切なものです。

『DB』の「戦闘力と実力差の法則」もこれと同様で適応範囲が存在し、それがフリーザ編以降となります。
(ただしこの法則を使って厳密に構築していかれるのは、フリーザ編からブウ編まで)。

戦闘力差の法則をナッパに当てはめて混乱するというのは、ニュートンの力学法則を光速に近い物体に当てはめて悩むのと同じではないかと思う。
戦闘力差の法則に基いた戦闘力考察が可能になるのは、フリーザ編からブウ編まで(原作終了時は対象外)となります。

またGTの場合、部分的に優劣幅を導くのに有効なものとなります。
全体的に使えないのは、レジックやムッチー・モッチーやルードやメガキャノンシグマや二星龍や七星龍など、戦闘力差の法則で強さを考えていく者が、多数いるからです。
また使える場面としては、悟空の初期超サイヤ人4から超フルパワー超サイヤ人4の飛躍率の上昇幅。
初期超4悟空の10倍かめはめ波が、一星龍にまともに炸裂してもビクともしなかった点から、両者の差は5割付近。
その一星龍を圧倒するのが、超フルパワー超4悟空。
初期超4悟空と超フルパワー超4悟空の間にある優劣は「5割付近+圧倒1つ分」で、キリのいい数字に収めることを踏まえ、2倍という見方になります。



 「戦闘力と実力差の法則」の適応範囲・・・・・フリーザ編からブウ編まで
 ※GTでも一部適応は可能。
 (初期超4から超フルパワー超4の飛躍率の引き上がり幅を「2倍」とする見方など)




■ナッパの戦闘力
・4000〜5000ほど。
(フリーザ編以降の、戦闘力差の法則は当てはまらないものとして見ていく)
・悟空(8000)との戦闘力差は、6割〜2倍ほどだが、フリーザ編以降の戦闘力差の法則だと圧倒差(20〜25%差)くらいのもの。
・逆上悟飯(2800)との戦闘力差は、43〜78%ほどだが、フリーザ編以降の戦闘力差の法則だと圧倒差(20〜25%差)くらいのもの。
(フリーザ編以降の瞬殺基準の33.3333・・・%差ほどだと、悟空がジースのクラッシャーボールを簡単にはじいたように、逆上悟飯の魔閃光をナッパは簡単に弾けなければならないため)

■実力優劣
・ナッパは、逆上悟飯の圧倒1つ分上ほど。
(逆上悟飯の魔閃光が、ナッパにまともに炸裂したら、大ダメージになると予測されることから)
(ナッパが魔閃光を弾く動作は、悟空がクラッシャーボールを弾いた時ほど、簡単にはできないから)

・悟空は、ナッパの圧倒1つ分上ほど。
(ナッパの最高の技が、悟空にまともに炸裂したら、大ダメージになると予測されることから)

・悟空は、逆上悟飯の圧倒2つ分上ほど。
(逆上悟飯の魔閃光が、悟空にまともに炸裂しても大したダメージにならないくらいではないかと推測することから。「ベジータvsリクーム」戦同様)



※関連考察

ナッパの戦闘力(1)〜戦闘力差の法則の適応範囲〜

ナッパの戦闘力(2)〜戦闘力差の法則の適応範囲〜

「悟空&ピッコロvsラディッツ」の優劣

サイヤ人編後半特有の戦闘概念

戦闘力差の法則に適した戦闘概念

ナッパの戦闘力(3) 〜悟空との優劣〜

ナッパの戦闘力(4) 〜悟空との優劣〜

ナッパの戦闘力(5) 〜タフさについて〜




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