【ドラゴンボール考察 気と戦闘力の関係】

<RPG理論(2)>

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「戦闘力」とはRPGの能力ステータス(パワー・スピード・耐久力の総合)にあたるものだと考えました。

詳細:RPG理論(1)

では「エネルギー」は、RPGの能力値だとなににあたるのか。

エネルギーを消費していく特徴の1つに、バビディの宇宙船のステージバトルから判断される、パンチや蹴りを含めた1つ1つのダメージが減少に直結していくというのがあります。

これはRPGでいう「HP」に、対応するものではないかと思う。
この単位はDBのRPGに限らず、その他全てのRPGにも存在するものです。
格闘ゲームだと、ライフメーター(体力メーター)にあたります。
エネルギーを吸収された側はライフメーター(体力メーター)が減少し、エネルギーを吸収した側はライフメーターが回復します。

そしてもう1つのエネルギー消費の特徴に、エネルギー波系や肉弾系の攻撃で消費していくというのがあります。
これはRPGの技消費値に、対応するものではないかと思う。

技消費値はDBのRPGでは「BE(バトルエネルギー)」と表現されているものと「KI(気)」と表現されているものの2種類がありますが、どちらも同じものです。

「強襲サイヤ人(FC版)」「激神フリーザ(FC版)」では「BE」、
「超サイヤ伝説(SFC版)」「烈戦人造人間(FC版)」「サイヤ人来襲(NDS版)」では「KI」、
と表現されています。


他のゲームでの技消費値の表現はいくつかありますが、最も多いのが「MP」という単位名です。
ただし「MP」という能力値の性質は、ゲームによって大きく2種類に分かれます。

1つ目がドラクエシリーズ(Zまで)やFFシリーズで使われている「MP」。
こちらは魔法(呪文)だけがMPの消費対象となり、体術や武器攻撃はMPの消費対象から外れます。
これはDBの技消費値の性質とは、異なります。
原作から見るとバビディが魔術を使うための「魔力」が、このMPの性質に当てはまります。

2つ目がクノロ・トリガーやワンピースのRPG(GBA版「ナナツ島の大秘宝」)やドラクエシリーズ([以降)で使われている「MP」。
こちらは魔法(呪文)だけでなく、体術や武器攻撃もMPの消費対象となります。

「クロノ・トリガー」では、
「ファイア(炎系魔法)」「アイス(氷系魔法)」などの魔法攻撃に加え、
「回転斬り」「みだれ斬り」「ジャンプ斬り」などの剣攻撃、
「まるまじろキック」「ひっかきかみつき」「3段キック」などの体術、
といったものがMPの消費対象になっています。

ワンピースのRPG(GBA版「ナナツ島の大秘宝」)では、
ルフィの「ゴムゴムのピストル」「ゴムゴムのガトリング」「ゴムゴムのバズーカ」
ゾロの「鬼斬り」「虎狩り」「三千世界」
サンジの「首肉シュート」「もも肉シュート」「羊肉ショット」
など体術や剣技がMPの消費対象になっています。

ドラクエ[では従来の魔法攻撃に加え、
「一閃突き(ヤリスキル)」「さみだれうち(弓スキル)」「しびれうち(ムチスキル)」「クロスカッター(ブーメランスキル)」「まじん斬り(オノスキル)」「ミラクルソード(剣スキル)」「死神の鎌(鎌スキル)」などの武器攻撃、
「せいけん突き(格闘スキル)」「ムーンサルト(格闘スキル)」「ハートブレイク(打撃スキル)」「マインドブレイク(打撃スキル)」などの体術、
など武器攻撃や体術の約3分の2が、MPの消費対象となっています。
MP消費のない約3分の1の武器攻撃や体術は、威力が低い方のものです。

このような体術や武器攻撃も「MP」の消費対象として含まれているものは、『DB』のエネルギー消費理論に基づくものと考えられます。
格闘ゲームだと気のメーター(気力メーター)に当たります。



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「エネルギー(体力)」とは、この「HP」と「技消費値(「BE」or「KI」)」の2つの特徴が融合したものになります。

つまりRPGゲームの「HP」と「技消費値(「BE」or「KI」)」、
格闘ゲームの「ライフメーター(体力メーター)」と「気力メーター」、
これらは本来同一のもので、2つの能力値として分割されているのはおかしいということです。


原作から考えられるエネルギーとは、どのようなものなのか。
それはエネルギー波系の技が出せなくなるほどエネルギーを消費した時には、ほとんど体が動かないほど力を使い果たしているという点にあります。

第22回天下一武道会決勝の「悟空vs天津飯」戦のクライマックスシーンを振り返ります。

天津飯が気功砲で武舞台を吹っ飛ばし、悟空が大ジャンプで回避した場面。
舞空術で空を飛ぶ天津飯に対して、そのまま武舞台のない地面に落ちるしかなくなった悟空は、
「オラの残った力の全部を賭ける!!!」
と言うと、かめはめ波を後方に放って天津飯に体当たりをしかけます。

その次の話(第134話)の冒頭でも、
「もう武舞台はない!!悟空は持てる力の全てを最後のかめはめ波に賭け、なんと後方へと放った!!」
と同様の紹介文があります。

その体当たりで天津飯を気絶させた悟空ですが、
「やっ、やべえ!!かめはめ波に力を使いすぎて体がいうことを効かねえ!!」
と言っているように一緒に落ちている悟空がやや不利・・。

そして最後の最後の力を振り絞った悟空は、小さなかめはめ波で体を浮かせて有利な状況となりますが、不運にも走っていた車にぶつかって先に地面に落ちて敗北してしまいます。

この場面を整理していきます。
まず逆かめはめ波にほぼ全ての力を費やした悟空は、体がいうことを効かない状態となります。
そしてわずかに残っていた小さなかめはめ波を放つ事で、今度こそ力を完全に使い果たします。

これはなにを意味するのか。
それはかめはめ波のようなエネルギー波系の技が出せなくなってしまった時というのは、同時にパンチやキックのような肉弾戦の技術で闘う力も、ほぼ底をついてしまっている状態という事ではないかと思う。

また逆の見方をするなら、体がほとんど動かなくなってしまうほど力を使い果たしてしまっている状態とはいえ、わずかでも力が残っていれば小さなかめはめ波のような威力の低いエネルギー波系の技を出す事は、可能という事ではないかと考えられます。

また天津飯が気功砲を撃つために、体じゅうの気を手に集中させた場面。
「(ここで全ての気を使い果たしてしまうとこっちが力尽きてしまう・・・。ある程度の気は残しておかねばな・・・)」

エネルギー波系の技を撃つ時に使用する「気(エネルギー)」を全て使い果たしてしまった時というのは、力尽きてしまう時です。

これは超2悟飯が復活セルを消滅させるかめはめ波を放って、自力で立つのが不可能なほど力を使い果たしてしまった場面からも、考えられるのではないかと思う。

そしてRPGで力尽きる時とは、HPが0になる時です。

これらからも、RPGでエネルギー波系の技を撃つ時に、消費するエネルギーが0になってもHPがたくさん残っていればまだまだ元気に肉弾戦で闘い続けていく事ができるというシステムが、おかしいものという事が判断できるように思う。


次に格闘ゲームのシステムを見ていきます。
格闘ゲームにおいて力尽きる時とは、ライフメーター(体力メーター)が0になる時です。
しかしかめはめ波や気功砲を放って消費する気力メーターと、0になったら力尽きるライフメーターは別のものです。
ライフメーターが0になる寸前でも気力メーターをためれば、何発でもフルパワーかめはめ波のような強力技を撃ち続けられるというシステムはおかしいのではないかと思う。

原作で考えた場合、休けいや仙豆ももなしにフルパワーかめはめ波を何発でも撃ち続けられるといったことは、あり得ないことです。
RPGシステムはおかしいところはありますが、それでもかめはめ波などの技を使用する回数に制限がある(技消費値の残量が足りないと使えなくなる)という点では、原作に基づいていると考えられます。

原作のエネルギーとは、RPGのHPと技消費値(「BE」or「KI」)の特徴を合わせたようなものです。
RPGがこのようなシステムになっているのは、ゲームとして楽しみやすくするためだと思う。
実際にRPGや格闘ゲームでダメージをくらって消費していく能力値と技を使用することで消費していく能力値が一緒になっていたら楽しみにくいと思うので、ゲームシステムとしては適していると思います。
ここで述べた考えも、ゲームシステムを批判するものではありません。




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