【ドラゴンボール考察 気と戦闘力の関係】

<RPG理論(1)>

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大半の人類が自分の意志で数値を変化させることができることが不可能な「戦闘力」とはなにか。
これはRPGの能力ステータスのようなものではないかと思う。

RPGの能力ステータスとは力を入れることで変化できるものではありません。
睡眠中も食事中も戦闘中も常に能力ステータスは一定のままです。

これは『DB』の戦闘力と共通する要素です。

そして戦闘力を自分の意志で変化させる上で最もポピュラーら手段とされているのが「変身」です。

▽バータ
「変身もしないで戦闘力を変化させる種族とはめずらしいな」
より。

RPGの能力ステータスも変身する時には数値が変動します。

よってスカウターとはRPGでいう能力ステータスを弾きだすメカと考えることができます。
『DB』のRPGに登場するアイテムのスカウターも、いわゆるRPGの能力ステータスを弾きだす効果のものです。

戦闘力数値とは、RPGの能力ステータスにあたります。



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では具体的にはどのような力を意味するものなのか。
ここでドラゴンクエストの能力ステータスを例に上げていきます。

HP・・・生命値。これが0になると死ぬ
MP・・・呪文を使うのに必要な力
力・・・この数値が高いほど敵に与えるダメージは大きくなる
すばやさ・・・この数値が高いと先に攻撃の主導権を得られる
身の守り・・・身体の丈夫さを現している数値でこれが高いほど敵から受けるダメージも少なくなる
かしこさ・・・頭のよさ
運のよさ・・・この数値が高いほどモンスターから逃げやすくなる
攻撃力・・・強い武器を装備したりすると上がる
守備力・・・強い防具を装備したりすると上がる
かっこよさ・・・身に付けている衣類・武器・防具による見た目のかっこよさ


戦闘力とはこの中でいうと「力」「すばやさ」「身の守り」にあたるものではないかと思う。
「攻撃力」と「防御力」は武器や防具を装備した時の総合的な能力なので対象から外れます。

これを「パワー」「スピード」「耐久力」という表現に置き換えます。

セルが第2形態に変身した場面を見ていきます。

16号「さあ!!逃げるぞ18号!!」

[18号の手を引っ張って逃げる16号]
[それを後方から超スピードでダッシュして先回りするセル]

16号「な・・・なんというスピードだ・・・」

−中略−

セル「逃げられるとでも思ったのか?このわたしから・・・・・・」
「すばらしいスピードにわたし自身も驚いているよ・・・。もちろん17号を吸収したおかげだ・・・・・・。
パワーの方はどうかな?」

[16号がセルの顔面におもいっきりパンチをぶち込む。しかし・・・]

セル「《ニヤ》」

[まったく効いていない]
[セルが16号の顔面に手を近づけてエネルギー波を放つ]
[ぶっとんでボロボロになる16号]

セル「ほう・・・。こちらもずいぶんアップしているようだな・・・・・・」


セルが第2形態に変身したことでアップした能力は、
逃げ出す16号を先回りするほどのスピード、
16号のパンチを顔面にまともにくらっても平気なほどの耐久力、
16号をたやすくボロボロにするほどのパワー、

この3つです。

戦闘力の上昇と共にアップする能力は「パワー」「スピード」「耐久力」。
ドラクエの「力」「すばやさ」「身の守り」にあたるものです。

この3つの能力値(パワー・スピード・耐久力)を1つの能力値として数値化したものが「戦闘力」というものではないかと思う。



−3−

なぜ『DB』という作品にRPGの能力値形式のものがでてくるのか。
これは『DB』という作品そのものが、RPG系の物語だからではないかと考えます。

それを最も象徴しているのが初代ピッコロ大魔王ではないかと思う。
ピッコロ大魔王とは「世界の支配を企む大魔王」です。
これはドラクエシリーズの
「竜王」「ハーゴン」「バラモス」「エスターク」「デスタムーア」「ミルドラース」
といった歴代のボスキャラと共通するものではないかと思う。

またフリーザの他の部下たちとは比較にならないほどの飛び抜けた力を持つ個体的存在という点もRPGのボスキャラと共通するものではないかと思います。

初代ピッコロ大魔王やフリーザはRPGのラスボス的存在として解釈していいのではないかと思う。



−4−

『DB』とは、RPG系の世界観の作品と考えられます。

神龍のたくさんの死者を生き返らせる能力。
これはドラクエの死者復活呪文の究極系のようなものではないかと考えられます。
特に初期のころはピッコロ大魔王の一味に殺された者の肉体が腐らないように冷凍カプセルに入れて保存するという処理方法が取られていました。
(体が腐ってしまっては生き返ってもゾンビになるのではないかと推測されたため)。

これもドラクエの死者蘇生呪文や教会でのお祈りで復活する時と同じく、生き返るためにはきちんとした肉体が必要という理論に基づくものではないかと思う。
肉体がバラバラになっても生き返るというのはストーリーが進むに連れて出てきた後付け設定で、初期のころにはなかったものだと推測します。

次に界王様が悟空に与えた、軽くて少しぐらいの攻撃など跳ね返してしまう「丈夫な布でつくった道着」。
これはドラクエの防御力の高い服に共通するものではないかと思う。
特に「身かわしの服」は布の丈夫さによる防御力の高さに加え、羽のような軽い素材でできているために回避率も上がるという点で高い共通性があります。

デンデやキビトの回復能力はドラクエの回復呪文に共通します。

次に老界王神が自らの命と引き換えに悟空を生き返らせた能力。
これはドラクエの死者復活呪文の「メガザル(術者の命と引き換えに他者を生き返らせる)」に共通します。

このように『DB』という作品にはRPG分野の特徴をいくつか見ることができます。




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