【ドラゴンボール考察 気と戦闘力の関係】
<スカウターの特徴から考える>
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作中には、
「気(気配)=戦闘力 である」と考えることのできる側面と、
「気(気配)=戦闘力 ではない」と考えることの側面の
2種類が存在します。
これはどのような理由によるものなのか。
それにはまずスカウターの特徴(機能)を理解する必要があります。
最初にラディッツがピッコロに出会う場面から見ていきたいと思います。
[ラディッツが農家のおっさんを殺害した直後]
《ピ・・・》
(スカウターの音がなり、液晶画面がピッコロのパワー反応を示す)
ラディッツ「大きなパワーを持ったやつがいる・・・・・・。距離4880・・・・・・。
カカロットか!?」
(ラディッツ、その地点に向かって飛び立つ)
そしてラディッツがピッコロの前に降り立った場面です。
ラディッツ「ちいっ・・・。カカロットじゃない・・・」
ピッコロ「なにものだキサマ。このオレ様に用でもあるのか!?」
ラディッツ「おまえなどに用はない」
ピッコロ「じゃあなにしにここへきた!死にたいのか!?」
ラディッツ「くくく・・・。えらく威勢がいいな・・・」
《ピッ》
(ラディッツ、左手でスカウターのボタンを押す)
ラディッツ「ほう、戦闘力322。こんなやつもいたのか。だが、しょせんオレの敵ではない・・・」
ピッコロ「なんだと!!キサマだれに向かってしゃべっているのかわかっているのか!!」
ラディッツ「さあな」
この場面を整理しながら考えていってみたいと思います。
ラディッツがピッコロの322という戦闘力数値を知ったのはいつか・・。
これはラディッツがピッコロと対面して、自らの手でスカウターのボタンを押して数値を計測した時です。
「ほう、戦闘力322。こんなやつもいたのか。だが、しょせんオレの敵ではない・・・」
より・・。
つまり農家のおっさんを殺した直後にピッコロのパワー反応をキャッチした場面。
「大きなパワーを持ったやつがいる・・・・・・。距離4880・・・・・・」
この時のスカウター表示(大きなパワー反応を示す)は、ピッコロの戦闘力数値(322)を計測した場面ではないということです。
ここから考えられるのは、
強い者がどこにいるのかを知るために特徴のある大きなパワー反応をキャッチする機能と
その者の戦闘力数値を計測する機能。
この2つは、別のものなのではないかということです。
そして気(気配)で相手の強さや居場所を探る能力と同一の役割りを果たすのが、
スカウターの戦闘力数値計測とは異なるもう1つの機能。
強い者がどこにいるのかを知るためにパワー反応をキャッチするというものなのではないかと思う。
−2−
ただしここまでの考察では信頼性に欠けるものがあります。
なぜなら戦闘力概念がラディッツ編の時期と後のものでは大きく異なるため、この時期の内容を物語全体に当てはめていいのかという疑惑が出てくるからです。
そこで今度は現戦闘力概念
の中から、これと同じ解釈ができてくる例を上げていきます
ナメック星でフリーザ一味がムーリ村を襲っている時に3人の若者がかけつけてきた場面です。
[ザーボンがナメックの老人2人を殺害し、追いつめられていくムーリたち]
《ピピピ・・・》
(ドドリアのスカウターが反応)
ドドリア「強い戦闘力・・・!?」
(ドドリアが反応のあった方向を向く)
ドドリア「フリーザ様!あれを!!」
(助けに飛んできたナメック人若者3人の姿が!)
(岩山の上で隠れて見ていたクリリンと悟飯)
悟飯&クリリン「あ・・・!?」
ムーリ「おおっ!!!」
そしてナメック人の若者3人が降り立ち、対決姿勢が強まります。
ナメックの若者「ゆるさんぞおまえたち・・・。ナメックの平和を踏みにじりおって!」
ムーリ「気を付けて戦ってくれ。こやつらかなりの強さだ・・・!」
デンデ「がんばって!!」
フリーザ「ほう!戦うつもりですか! どれほどの戦闘力数をお持ちかな?ドドリアさん」
ドドリア「は!調べてみます」
《ピ・・・》
[ドドリア、左手でスカウターのボタンを押して計測をはじめる]
《ピピ・・・》
ドドリア「くっくっく・・・・・・。ガッカリしないでください。3人とも1000前後です。
わたしたちが戦うまでもありませんな」
ナメックの若者たちの戦闘力(1000前後)が発覚したのは、ナメックの若者3人が降り立って対決姿勢が強まり、フリーザがドドリアに戦闘力数を計るように命じた後です。
つまりナメック人若者3人が空を飛んで近づいてきてドドリアのスカウターがそれに反応した時の
「強い戦闘力・・・!?」の時点では戦闘力の数値はわかっていない・・・
これはラディッツが農家のおっさんを倒した直後にピッコロの戦闘力反応をキャッチした時点では戦闘力の数値まではわかっていなく、対面してから自らの操作で戦闘力の数値計測をしたのと同じではないかと思う。
−3−
ナメック人の若者3人が飛んで近づいてきてスカウターが反応した時の
「強い戦闘力・・・!?」。
これは戦闘力数値の認識につながらないパワー反応を意味するものだと考えられます。
ベジータが気(気配)を探る能力を活用しながらよく使っていた「戦闘力」という表現は、このパワー反応を意味するものではないかと思う。
つまり一言で「戦闘力」と表現されているものでも、
具体的な戦闘力数値を意味するものと
戦闘力数値の認識にはつながらない大まかな大小判別ができるパワー反応を意味するもの。
この2種類が存在するということではないかと思います。
−4−
もう1つ例を上げていきます。
ベジータとナッパが地球に到着して東の都を破壊した後に強い戦士を探し始めた場面。
ベジータ「とりあえず探すんだ。戦闘力の一番高いやつを。そいつがラディッツを殺したやつだ。あるいはカカロットの息子かもしれん・・・」
[スカウターで周囲を探し始める]
ナッパ「おい ベジータ!!妙だぞ・・・!戦闘力1000を超える反応がひとつやふたつじゃないぜ!こんな星にどうして・・・」
ベジータ「うろたえるな。しょせんオレたちの敵ではない。とにかく一番の戦闘力を持ったやつだけをさがせ・・・」
[スカウターで一番の戦闘力の持ち主を探していく]
ベジータ「! みつけたぞ・・・!やけに高い反応がふたつそろってやがる・・・。よーしナッパ。遊びにいってやろうぜ!」
そしてベジータとナッパがピッコロたち3人と対面した場面。
《ピピピ・・・》
[ナッパのスカウターがピッコロと悟飯とクリリンの3人の戦闘力数値の計測をはじめる]
ナッパ「981・・・1220・・・・・・1083・・・・・・。バカめ!その程度の戦闘力でオレたちにはむかうつもりか・・・!?」
ナッパがピッコロと悟飯とクリリンの戦闘力数値を初めて知ったのは、直接対面してスカウターで液晶画面越しに計測した時です。
つまり東の都のあった地点から複数の強い戦闘力をキャッチした時の
「おい ベジータ!!妙だぞ・・・!戦闘力1000を超える反応がひとつやふたつじゃないぜ!」
この「戦闘力1000を超える反応」とは具体的な戦闘力数値の認識につながらないパワー反応を示すものと思う。
またこの時のナッパのスカウターがパワー反応を探している状態なら、一緒にいるベジータのスカウターもパワー反応を探している状態と考えるのが自然ではないかと思います。
そうするとベジータのスカウターがピッコロと悟飯をとらえた場面。
「! みつけたぞ・・・!やけに高い反応がふたつそろってやがる・・・。よーしナッパ。遊びにいってやろうぜ!」
これはパワー反応を意味するものと考えられてきます。
そうするとその直前の場面。
「とにかく一番の戦闘力を持ったやつだけをさがせ・・・」
この戦闘力もパワー反応を意味するものということになります。
−5−
まとめていきます。
ナッパ「おい ベジータ!!妙だぞ・・・!戦闘力1000を超える反応がひとつやふたつじゃないぜ!こんな星にどうして・・・」
ベジータ「うろたえるな。しょせんオレたちの敵ではない。とにかく一番の戦闘力を持ったやつだけをさがせ・・・」
[スカウターで一番の戦闘力の持ち主を探していく]
ベジータ「! みつけたぞ・・・!やけに高い反応がふたつそろってやがる・・・。よーしナッパ。遊びにいってやろうぜ!」
これはラディッツのスカウターが、ピッコロを見つけた場面。
「大きなパワーを持ったやつがいる・・・・・・。距離4880・・・・・・」
またドドリアのスカウターがかけつけてくる3人の若者に反応した場面。
「強い戦闘力・・・!?」
これらにあたるもの。
そしてナッパがピッコロたちと対面して戦闘力数値を計測した時の
「981・・・1220・・・・・・1083・・・・・・。バカめ!その程度の戦闘力でオレたちにはむかうつもりか・・・!?」
これはラディッツがピッコロと直接対面して戦闘力数値を計測した場面。
「ほう、戦闘力322。こんなやつもいたのか。だが、しょせんオレの敵ではない・・・」
またナメック人の若者3人が村に降り立った場面。
フリーザ「ほう!戦うつもりですか! どれほどの戦闘力数をお持ちかな?ドドリアさん」
ドドリア「は!調べてみます」
《ピ・・・》
[ドドリア、左手でスカウターのボタンを押して計測をはじめる]
《ピピ・・・》
ドドリア「くっくっく・・・・・・。ガッカリしないでください。3人とも1000前後です。
わたしたちが戦うまでもありませんな」
これらにあたるものではないかと思います。
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一言で「気」と表現されているものでも、
「気配」を意味するものか「エネルギー」を意味するものかの見極めが重要だと考えました。
それと同じく、一言で「戦闘力」と表現されているものでも、
それが気配を探る能力では認識不可能な「戦闘力数値」を意味するものなのか、
それとも気配の別表現である「パワー反応」を意味するものなのかの見極めが重要ではないかと思う。
サイヤ人との決戦場に到着した悟空が、悟飯とクリリンに仙豆を食べさせるためにナッパの方向に向かって歩いていく場面。
▽ベジータ(スカウター表示を見ながら)
「(戦闘力がどんどん上がってやがる・・・!)」
悟空が戦闘力を8000まで上昇させた場面。
▽ナッパ
「ベ・・・ベジータ。カカロットの戦闘力はいくつになった!!」
フリーザがネイルと闘う場面。
▽フリーザ
「わたしの戦闘力は530000です」
これらは気配を探る能力では認識不可能な戦闘力数値を意味するものです。
また悟空たちといるベジータがギニューとジースの接近に気がついた場面。
▽ベジータ
「ん!? ふたつの戦闘力がこっちに・・・。おいでなすったな。おまえの逃がしたジースがギニュー隊長を連れてきたぞ・・・!」
ポルンガの出現中にフリーザが迫ってきてベジータが目を覚ました場面。
▽ベジータ
「な・・・なにかが近づいてくる!!!すさまじい戦闘力!!!フリーザだ!!!」
これはムーリ村にナメック人の若者3人が近づいてきて、ドドリアのスカウターが反応した時の、
「強い戦闘力・・・!?」と同じく、戦闘力数値の認識にはつながらないパワー反応(=気配)を意味するものではないかと思う。
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